化粧品をみていると
「肌の奥までしみこむ!」なんて文章をみかけますよね。
「ふ~ん、そうなんだ」ぐらいで読み飛ばしがちですが、実際どこまで届いているかご存知ですか?
どんな成分か、どこまで届くか知らずに使っていて、いつの間にか問題が生じるってことだけは避けたいものです。
そうなる前に肌についての知識をつけておきましょう。
きっとこれからの肌ケアに役立つはずです!
基本的には角層まで
これは雑誌などにも書かれている通り。では、角層とはどこを指すか?
角層を語るためには、まず、皮膚の構造を知る必要があります。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つを指すという人もいれば、表皮と真皮を指すという人もいます。
皮下組織はいわば脂肪なので、ここでは表皮と真皮を指すことにします。
表皮は真皮のガードマン
皮膚の厚さは顔周り全般であれば2mmほど。そのうち表皮は0.2mm、真皮は1.8mmほどになります。真皮にはコラーゲンやエラスチンを生み出す繊維芽細胞なども含まれていて、肌の弾力の基本となるとても大事な部分です。
この真皮を守っているのが表皮。表皮は実は4層になっていて一番真皮に近いのが基底層です。例えば、基底層にはシミの原因になるメラニンを作るメラノサイトがありますが、メラノサイトは何も悪者ではありません。
紫外線という外敵に、真皮にある細胞を攻撃されまいと必死に防衛しようとした結果、黒くなってしまうのです。いわば戦いの証ですね。
基底層の一つ上にあるのが有棘層。ここは主に細胞に栄養を運ぶ役割を担っていますが、外敵を監視する役割も果たしています。
基底層と有棘層にいかに負担をかけないか
有棘層のさらに上が内側から順に、顆粒層と「角層」。これらはターンオーバーによってはがれ落ちるのを待つばかりの細胞たちです。が、皮膚に不要な部分なんてありません。
一番外側の角層でどれだけガードできるかが内部に負担をかけないためのポイントです。
ごくシンプルな例えをすると、角層に日焼け止めを塗ってガードを固めておきます。紫外線という外敵が攻めてきても奥まで攻めこめません。となれば、メラノサイトは戦う必要がなく普段通り過ごしています。戦いの証なんかも残しません。
もう少し全体的な話をすれば、よく聞く「うるおいのバリア」。角層にたっぷり水分を与えて、逃がさないようにする。これをより強固にするために各メーカーが競って成分を研究し、乳液、美容液、クリームを開発しているのです。
反対に、角層が守られいないと細胞内の大切な水分も逃げていってしまいます。
角層に行き渡れば十分!
基底層や有棘層の細胞はいずれターンオーバーによって表面に出てきます。角層のバリア機能を高めて内部の細胞を守っておけば、きれいな肌を保つことにつながるのです。