にんにく、りんご、はちみつ……。カレーに加える隠し味は人それぞれ。だが、醤油を隠し味にする人もいることはご存じだろうか。カレー×醤油という、一見まったく合わなそうな組み合わせ。実際に試してみると、味に深みが出て、そば屋のカレーに近い味わいになる。
カレー通にとってはもはや常識らしく、煮込んでいるときでも、お皿に持った後でも、4皿分に対して大さじ1くらいがちょうどよい。
さらに衝撃的なのが、これ。カレー専用醤油!?
昨今は「○○専用醤油」ブームで、冷奴専用醤油やたまごかけご飯専用醤油は、どこのスーパーでもよく見かける。しかし、「カレー専用醤油」まであるとは、もはやカレーに醤油をかけることはこれほどまでに常識なのだろうか。
メーカーによって少しずつ特徴は異なるが、スパイスを加えていたり、中にはウスターソースが入っているものもある。
普通のしょうゆをかけたときの唯一の難点は少し味がつぶれてしまうところだったが、カレー専用醤油を使うとスパイスが絶妙に溶け合うためか、元のカレーの味が活きてくる。一晩寝かせたようなまろやかな味になり、まるでカレー専門店で出てくるカレーのよう。
では、どの程度「カレー専用」なのか。下記の3品で試してみた。
まずは、冷奴。最初は普通に食べていたが、しょうがと溶け合うとスパイスと相性が悪いらしく、「う~ん」という味になる。
次に、さしみ。これもスパイスとの相性が悪い。
素材を楽しむ料理にはいまひとつ向いてない調味料と言えそうだ。
最後に、卵かけご飯。カレー専用醤油は醤油とソースが合わさったような一面があるため、わりとイケる。目玉焼きにソースをかける人も多いので、卵との相性は基本的によいのだろう。
反対に、卵かけご飯専用醤油をカレーにかけても、普通のしょうゆをかけたときとあまり変わりはない。むしろ味がさらにつぶれてしまった感じ……。当たり前だが、カレー=卵かけご飯ではなかった。
一部の商品には、炒め物や揚げ物にも使えるとの説明書きがあったが、スパイスを効かせたいものや、ソースとも相性がよいものならおそらく応用できるだろう。でも、カレーのことを研究して作られているだけに、やっぱりカレーにかけて食べるのが一番と言えそうだ。