数年前から静かなブームとなっている「干し野菜」。その名の通り、野菜を干しただけのものなのだが、実はうれしい魅力がたくさん。その実力は、レシピ本や専用アイテムが発売されているほどである。そんな人気の「干し野菜」に挑戦してみた。果たして、普段料理をしない筆者にもできるのだろうか?
まずは、「干し野菜」のメリットをおさらい!
・日持ちする!
セミドライの場合、冷蔵庫で5日ほど。
完全乾燥の場合は3週間ほど保存が可能。
・おいしくなる!
水分が抜け、野菜の旨みが凝縮。
野菜本来の味わいをより楽しめる。
・野菜をほぼまるごと食べられる!
皮や葉の部分まで美味しく食べられるので、とってもエコ。
また、人参をはじめ、皮まわりに栄養を豊富に含む野菜の栄養を無駄なくとれる。
・時短調理にお役立ち!
加熱に必要な時間が少なくなるほか、味が早く染みこみ、
煮崩れしにくくなる。電気やガスもちょっぴり節約。
普段の野菜を干すだけで、こんなにいいことがあるとは驚きだ。
「干し野菜」に挑戦したい気持ちが高まったところで、さっそく作ってみよう。
干す野菜は何でもOK。青梗菜などの葉ものから、きのこ、根菜など好きなものを選ぼう。
今回は、プチトマト、玉ねぎ、レンコンを干してみた。
プチトマトは、半分に切り種を取り除いてから、水分をよくふき取って干すのがポイント。
レンコンは、そのままでも問題ないが、酢水につけると色が白いままきれいに仕上がる。
野菜は水洗いし、皮は剥かずに(野菜によっては皮をむいたほうがいい場合も)薄く切って、クッキングペーパーなどで水分を拭きとる。切り方に決まりはないので、慣れたら作る料理に合わせて切ると便利。
その後、ざるやネットに野菜が重ならないように並べ、日当たりと風通しのよい場所に置く。晴れた日の10:00~15:00ごろ、日差しのある時間がベスト。干し足りないときは一旦部屋の中にしまって、翌日にまた干しなおす。空気が乾燥する秋~冬が「干し野菜」作りに適した季節。湿気の多い時期は、カビなどに注意。
日当たりと風通しがよければ、室内でもOK。
そして、キャベツも……。
葉ものは、ピンチハンガーで吊るすのもおすすめ。
野菜にしんなりして、シワができたら食べごろサイン。
これで「干し野菜」の出来上がり!
なんと、驚くほど簡単にできてしまった。
せっかくなので、「干し野菜」を使った料理にも挑戦してみよう。
メニューは、「干し野菜」をシンプルに味わうため、スープに決定!
使うのは、キャベツ2枚、レンコン100g、玉ねぎ1/4個、ミニトマト8個を「干し野菜」にしたもの。
キャベツと玉ねぎは、食べやすい大きさに切る。鍋に水600mlとガラスープの素大さじ1と1/3を入れて火にかける。
煮立ったら「干し野菜」を入れて15分程煮込む。
最後に醤油小さじ1を加え、塩と胡椒で味を調える。
器に盛り付けて「干し野菜のスープ」の完成!
あらかじめ切ってあることと、干してあることで、調理時間が短縮された。休日に「干し野菜」を作っておけば、時間に余裕のない平日に活躍しそうだ。
味のほうは、トマトや玉ねぎの甘みが引き出され、野菜本来の旨みが感じられる。レンコンの少ししなっとした食感も楽しい。
ブームになっているのにも納得である。
次は、なにを干してみようか……。